夢のみずうみ村
2010年7月1日
 ぜひ、見てほしいとゴールデンウイーク前に1枚のDVDが送られてきました。
 送り主は、200人を超す全国の市町村長たちの集まりである「福祉自治体ユニット」の事務局長の菅原弘子さんでした。
 内容は、山口県山口市の山の中にあるデイサービスセンターを取材したテレビ朝日の「スーパーモーニング」と、NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」の録画で、見ていてくぎづけになっていました。
 山口デイサービスセンターを運営しているのは、「夢のみずうみ村」で、代表者は作業療法士の藤原茂氏です。
 夢のみずうみ村を立ち上げる前は、山口市内の病院で作業療法士として働き、多い時には1日90人の患者を受け持ち、一人あたり50ものリハビリメニューを組んでいたとのことです。
 50歳を過ぎて独立しようとしたとき、最先端の機械も入れてと張り切って独立の抱負を患者さんに話したところ、「藤原さんの考えている福祉は、患者が望んでいる福祉じゃない」と言われ、さらに「患者その人が感じて、決めること」との言葉にショックを受け、改めて患者のためのリハビリを考え、今に至ったそうです。
 現在、毎日100人を超える人が通所していて、遠くは新幹線を使って片道3時間以上もかけて通所する方もいるほどの盛況ぶりで、介護に詳しい龍谷大学の池田省三教授に言わせると、「介護の世界に革命が起きている」とのことです。
 データでは、要介護3の方の改善割合は、全国平均では11.5パーセント程度に過ぎませんが、夢のみずうみ村では76.9パーセントと、驚異的な数字です。
 なぜ革命的なのか、すべては書き表せませんが、一般的なデイサービスセンターと違い、夢のみずうみ村では、すべてが通所者の自己選択・自己決定で過ごします。
 さらに、バリアフリーではなく、端から見ると不親切とも思える「バリアアリー」で、施設内のバリアを乗り越えることこそが、リハビリにつながる訓練でもあり、センターの至るところにある、そのリハビリを楽しむ仕掛けが、多種多様なプログラム・メニューになっています。
 また、施設内でしか通用しない通貨「ユーメ」獲得のためのカジノでは、通所者は勝って喜び、負けて悔しがるなど大騒ぎで、このことだけでも一般的なデイサービスセンターのイメージを大きく変えるものでした。
 厚生労働省の役人で、介護保険制度を作った一人でもあり内閣府に出向している統括官から、菅原さんにこの革命的なデイサービスセンターを地方ではなく、都市部で、それも発進力のある浦安市に誘致しないかとの意図が伝えられ、冒頭のDVDが菅原さんから送られてきたのです。
 たまたま、当代島公民館の真向かいのビクター工場が、昨年の11月に閉鎖され、土地のオーナーから「市で活用しないか」との話が来ていたため、菅原さんに投げかけたところ、早速藤原氏と見に来られ、視察には私も立ち会いましたが、藤原氏は、理想的な建物で、名前も「人生の現役養成ランド」と浦安らしくしたいと、すっかり乗り気になって帰られました。
 まだ、超えなければならない壁はありますが、市民要望の多いリハビリセンターとして活用できればと、大いに期待しています。

浦安市長 松崎秀樹

(広報うらやすNo.911 2010年7月1日号に掲載)